だから、言えない



「で?」

村薗さんはまたあたしに
冷たい視線を戻す。

「だから、あの二人は
今いい感じなんです。
あたしたちは邪魔したらダメなんですよ」
「わかってる」

あたしは、村薗さんの左手に
自分の左手をそっと重ねた。


「あの二人が付き合って、
あたしたちも付き合ったら、
全てはうまくいくじゃないですかぁ…」
「俺はお前のことを、
恋人になんてできない」

村薗さんはあたしの、
左手をさっと払って、
別の場所へ手をつき直した。

「分かりました。
でも、あたしたちが、
佐山さんと竹本さんの
邪魔をしてはいけないのは、
絶対ですよ…
それと、二人がくっつけるように、
動くんです」


それに、あたしは、
まだ村薗さんを諦めない。
あたしの魅力に気づくまで、
何度だってかみついてやるんだから。


「あたしたちで、
あの二人を応援しましょっ…。
ね、村薗さん」