だから、言えない



なんで?!
村薗さんからはあたしと竹本さんが、
見えないように
席を決めたのに!

「知ってたなら、
止めに来たらよかったじゃないですか?」
「そうできないようにしたのもお前だろ。
社長が俺に話し込むのを知ってて
わざと横にした」
「っ…!」

ばれてたのか。

「どうせ、連とことちゃんを
一晩一緒にしたかったんだろうが。
店の位置を見ただけで、
すぐにわかった」
「ふーん。全部気づいてたのに、
知らないふりしてたのは何でですか?!」

村薗さんは少し何かを考えてから
静かに答えた。

「……それは、
俺の悪いとこだな」
「よくわかりませんけど?」
「とにかく、
ことちゃんに、こんなことして、
俺が黙ってるとでも?」
「それは、佐山さんに協力するため!
佐山さんは、竹本さんが好きだから!
友達なのに、知らないんですか?」

あたしの恋がうまくいくために、
あの二人に協力してるだけだけど。

「知ってる、そんなこと」