だから、言えない



「明日はクリスマスですねぇ。
村薗さんは何か予定あるんですかぁ?」
「うーん、ちょっとね…」

ちょっと何?

「あたしは一人で
寂しいクリスマスですよ」
「一人も静かでいいんじゃない?」

よくないよ!寂しいし!

「村薗さんが一緒に居てくれたら、
幸せなクリスマスになるのになぁ」
「そんなことない思うけどね」

そんな話をしながらあたしはゆっくりと、
村薗さんの背中に近づいて、
手を伸ばした。

「村薗さんは
あたしと一緒なら、
嬉しいですかぁ?」

そして、あたしは
村薗さんの肩を自分へに引き寄せ、
仰向けにさせると、
顔を、村薗さんの顔に
触れるギリギリまで近づけた。

「あたしのこと、
ちょっと気になってますよね?」
「何のこと?」
「あたしとしませんか?」
「なにを?」

村薗さんは表情ひとつ変えず、
淡白に言った。

「何をって…
分かってますよね?」