だから、言えない



「だったら、カラオケにでも行く?」

村薗さんが目をそらした。
なんだか、焦ってる?

「あたし、ほんと疲れてて、
寝たいんです」
「えー…」

村薗さん、
困ってる、困ってる!

だけど、村薗さんなら絶対来てくれる。
あたしに落ちてはいなくても、
ちょっとは好意があると思うし、
そうじゃなくたって、
優しいから、困ってるあたしを
放ってなんておけない。

「別に、変なこと考えてないですよ!
ただ寝るだけなんでー」
「それはそうだけど…」

もう一押し!

「誰にも言いませんよ、もちろん」
「……わかったよ」

村薗さんは全く乗り気では
無さそうだったけど、
とりあえず、
ホテルに連れ込めるとこまではクリアした。


あたしはそのまま
事前に調べておいたホテルまで
村薗さんを連れていった。