だから、言えない

「塚尾さん、終電は?」
「逃しちゃました…」

わざとだけど。

「タクシーは?」
「あたしん家、
タクシーで帰るには遠すぎて、お金がかなりかかるので…。
もうホテルに泊まるしかないですねぇ…」
「そっか。
じゃあ、ホテルまで送っていこうか?」
「あの…村薗さん…
あたし、ホテルに一人で泊まれなくて」

と、あたしが言うと、
村薗さんは驚いた顔をした。

「怖いんですよ…」
「そ、そうなんだ」

村薗さん、明らかに引いてるけど、
そんなこと気にしない。

「悪いですけどぉ…、
村薗さん、
一緒に泊まってくれませんかぁ?」

あたしは上目遣いで村薗さんを見つめた。