だから、言えない



俺はテーブルに水を置き、
ソファーの背に掛けてあった
ブランケットを引っ付かんで、
ベッドに腰かけると、
竹本の肩にそのブランケットをかけてやった。

ふう、
これで目のやり場には困らない。

すると…
「佐山さん、
わたしじゃだめなんだ…。
わたしじゃ…できないんだ…」

急に竹本は目からボロボロと
涙をこぼしながらうつむき、
俺は動揺した。

「わっ、わたしがセクシー…
じゃないから…」
「あ、いや、ちが…」

何なんだよ、これ!反則だろ。
そして、また、
塚尾の声が頭の中に響く…

『ふふ。あとはお好きに』


明日になれば、
竹本は何も覚えてない…
何も覚えてないなら、
してもいいんじゃ…?
仮に何もしなくても、
逆に何かしたと疑われることだってありえる。

それに、酔ってるとはいえ、
誘ってきたのは竹本だ。
俺は一応拒んだ。

だったら…

だったら、もう、いいんじゃ?