だから、言えない



塚尾、こいつ、
どこまでも失礼なやつ。

確かに竹本の髪、
ちょっとはねてるけど、
別になんともねぇよ。


「塚尾さん、
そういうこと言っちゃだめだよ。
それに、髪、全然大丈夫。
かわいいから」

優が笑顔でそう言った。

「え、本当ですかー?
えっへへ」
それを聞いて、
塚尾は機嫌をよくしたのか、
鏡を引き出しにしまった。

その時、竹本が急に立ち上がって、
部屋から出ていった。

おいおい、
塚尾が言ったことに傷ついて、
出てったとかじゃねぇだろうな。

竹本はいつも塚尾にひでぇこと
言われてるけど、
適当に流して、
気にしてないように見えた。

今回はそうじゃなかったのか?

竹本…。大丈夫か気になる…