だから、言えない



あれ、こいつ、
そんなに酒弱かったっけ?

いつも俺より飲んでて、
多少ごきげんになるくらいで、
べろべろになってるのは見たことない。

「あ、佐山さん」

塚尾が戻ってきた。

「竹本さん、もう意識なくって、
全然動かないんです」

なぜか嬉しそうに塚尾が言った。

「…お前、何かした?」
「何のことですか?
とにかく、竹本さん動かないので、
外に運んでもらえます?
もう、ここ、
出なきゃなんで」

そう言い残すと、
塚尾は慌ただしく去っていった。

運ぶって…

俺が竹本の首に手を回したとき、
後ろから優の声がした。