だから、言えない



そして、メインの鍋料理が出てきた頃、
竹本が部屋を出ていった。

多分トイレだろうが、
酔った感じだったから心配だ。

今日この店には、
他の忘年会客もいるし、
変な奴に絡まれないといいけど。


そして、お開きの頃、
俺がトイレから戻って、
ついでに竹本に声をかけようと、
あいつの横へ座った。
元々塚尾が座ってたが、
あいつは幹事の仕事で
忙しそうに走り回っていたから
空いていたのだ。


「竹本?」

竹本は横の壁にもたれて、
ぐったりうなだれていた。

「おーい、こらー」

俺は肩をつかんで揺すってみた。

「…」

反応がねぇ。