「気にしてないと言えば、
嘘になりますけど…
深入りしない方がいいと思っています。
皆それぞれ、
問題や悩みをもってるのは
当たり前ですし…」
あの事と、
佐山さんと片林さんとのことは
関係があることなんだろうか?
「お前だから言うがな、竹本。
あいつの家庭の事情で、
私は佐山のことを
心配せずにはいられないんだ。
それが、私たちの関係だ。
もっとはっきり言って欲しいなら、
佐山のことを私は、
放っておけない弟のように思ってる」
「お、弟…」
「あいつは自分のことを
何も話さないだろう?」
「そうですね…」
実は私、甘いものが好きなこと以外
佐山さんのことなにも知らない。
それだって、村薗先輩に聞いたことだし…
「私にもだ。
ただ、私が見たり、
他人から聞いて知ってることが
いくつかある。
竹本、お前にそれを話してやる。
佐山はお前に心を許してるみたいだから、
知っておいて欲しいんだ。
あいつのこと、少しでも」
そして、片林さんは話始めた。
ずいぶん昔の話を。
それは片林さんが、
小学五年生の頃、
近所の公園で
初めて佐山さんと出会った時の話から始まった。



