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毎朝お弁当を二つ作るのに
すっかり慣れても、
私の弁当のクオリティは、
塚尾さんのみたいにはならない。
それでも、佐山さんは毎日残さず、
うまいといって食べてくれる。
嬉しい。
ある日の夕方、
事務所の裏でゴミ袋の口を縛っていると、
直行で客先へ打ち合わせに行っていた
片林さんが、車で戻ってきた。
「お疲れ様です」
「お疲れ。今日はゴミの日か」
頼むぞ、と言って、
片林さんはその場を立ち去ろうとしたけど、
数歩進んでから、足を止めて振り返った。
「竹本、佐山のことだが…」
「え?はい…」
「毎日弁当作ってやってるんだってな」
「はい」
「ありがとうな。
あいつのことを気にかけてくれて」
片林さんが嬉しそうに言った。
「あいつは、なぜか、
竹本の言うことは素直に聞くからな。
私が弁当を作るといっても、
頑なに断るんだ」
「そうなんですね…」



