だから、言えない



「んじゃあ…
頼む」
「では、弁当箱は私が洗いますよ。
それと、週末になったら
佐山さんの弁当箱を買ってきます!
それまで、そのあおむしの弁当箱ですが、
すみません」

竹本が俺の席まで弁当箱を取りに来た。

「竹本、あのさ…」

俺は自分の席に戻っていく竹本の腕を掴んだ。

「なんですか?」
「ほんと、ありがとう…」

今までこの言葉を言ってきたなかで、
一番心を込めて言った。

俺の気持ち、届いたのかな。

竹本はまぶしい笑顔で振り返ったから。
かわいいな、お前。