だから、言えない



その後、竹本の声が聞こえた。

「ど、どうしよう…
そんなに不味かったのかな?」
「なんか変なもの
入れたんじゃないですか?」
「入れてないよ」
「竹本さんって
いかにも料理下手そうですもんねぇ」
「まぁ、うまくはないけど…」
「佐山さん、かわいそうですよ。
不味いものを食べないといけない
プレッシャー…」

やべぇ、俺が一口目いって
すぐに出てったから、
不味くて出しに行ったと
勘違いされてる!


慌てて部屋に入ると、
竹本が落ち込んだ顔で
俺をちらっと見上げた。

「わりぃ、竹本」
「佐山さん、
無理して食べなくていいですよ。
よかったらコンビニ行って下さい」

竹本が言った。