感情なんて捨ててきたこの俺が
こんな風に泣くなんて。
ただ、小さな頃からずっと我慢して、
耐えてきた何かが、
はじけたように思えた。
見ないようにしていた
クラスメイトのお弁当。
きれいに詰められ、
透明の入れ物に入った俺のコンビニ弁当。
手作りの弁当がなくて、
仲間はずれにされた遠足。
色んなシーンが一気にフラッシュバックする。
ひとしきり涙を流して、
手洗い場でしっかり顔を洗ってから
部屋に戻ろうとして、
ドアの取っ手を握ったとき、
中から塚尾の声が聞こえた。
「だから佐山さん、
吐きに行ったんじゃないですか?」



