だから、言えない


いーやいやいや、
ないないない。
そういう感じではない、
うん。

ん、ま、でも、
その竹本と仲いい飯田さんを
味方につけてしまえば、
こっちのもんだぜ。
最強の協力者。

「連」
優もそろそろ帰りそうな雰囲気だ。
机の上を片付け始めている。
「ん?」
「ことちゃんのことだけどさ」
「は?!なんだよ?!」
「シュークリーム……
苦手だったんじゃないの?」
「はぁ?」
「なんだか、
すごく頑張って
食べてるよう見えたけど」

まじかよ。
だって、飯田さんに聞いたし、
竹本だって、
優に嬉しいか聞かれて、
そうですねって答えてたじゃねぇか。

「うーん、でも、
俺の思い違いかも」
「…いや。お前、
そういうの気づくのうまいから、
そうかも」
「別に俺が言ったことは
気にしないで。
ただ次何かあげるときは、
別のものにした方が
いいんじゃないかなって。
そう思って言っただけ。
じゃあ、お疲れ」