海の向こうで





ゴンゴンと、誰かが倉庫のドアを乱暴に叩いている。



私たちはそれにビクッと身を竦ませた。



「静かに。俺が2階から様子を見てくるから、動かないで」



鮎斗くんがじぶんの唇に指を当てた。



「分かった」



私はコクリと頷く。



それから、沈黙が続く。



もちろん、外の誰かはドスドスドアを叩いているまんま。



「誰かいるんだろ!開けねーと、お前らを引きずり出して殺してやるぞ」



その声に、私はギョッとする。



かといって、開ける気にもならない。



第一、鮎斗くんに勝手な行動を起こさないように言われてるし。



しばらくして、鮎斗くんが階段をこっそり降りてきた。



「とりあえずいないフリをしよう。ここでむやみに連絡をとったりしない方がいい。もしかしたらそれも監視されてるかもしれないから」