それが分かったのは、飛鳥が私をぎゅっと抱きしめてきたから。 急だったので、心臓がドクンと跳ねる。 「ごめん…すこしだけ、こうしていさせて…」 飛鳥のか弱い声が聞こえてきた。 私は後ろから抱きしめられているから、飛鳥の表情はわからない。 けど、私の鎖骨に何滴か、ぽたぽたと水滴が落ちてきたのを感じた。 私は励ますように、腰に回っている飛鳥の手にそっと手を添えた。