海の向こうで




あの時から無意味に暴走族を潰すのはやめようって思ったんだ。



もう2度と、関係ない人を傷つけないように。



それができるか怖かったから、今まで暴走族に入れずにいた。



でも、海は違った。



始め、会った時はとにかく嫌だと思ってたけど、あいつは無意味にちょっかいを出すようなやつじゃないって分かった。



海をトップとしている“桜龍”こそ、暴走族としてあるべき姿なんだって思った。



だから俺は海の倉庫に出入りするようになった。



暴走族ってこんなに楽しいんだって思った。



俺が昔、いい奴悪い奴関係なく族を潰してたのに、なんの意味があったのかわからなくなった。



暴走族ってこんなに楽しいんだって分かって、入りたくなった。



でも、入っちゃダメだ。また、迷惑をかけるかもしれない。



そんな気持ちがずっとぐるぐる頭の中で回っててさ。



結局入る理由にしたのは、“大切な人を守るにはみんなの力が欲しい”だけど。



矛盾ぽいよな。さっき、大切な人を守るんだったら族なんかに入らない方がいいって言ったよな。


でも、今回の場合は俺が族としてやった方がよっぽど都合がいい。



効率もいいし、族として入らなかったら逆に助けられないかもしれないってこの前思った。



でも、それが一番ではあるけどそれだけじゃない。



みんなともっと深く関わりたいし、喧嘩は好きだからもっと続けたい。