「ごめんな。
いきなり話しかけてビックリしたよな、

俺は、結菜ちゃんの主治医の高橋、陽翔。

これからよろしくな」


白衣をきた男の人はニッコリ笑っていて、私が今まで会ってきた医者とは違う優しそうな雰囲気だけど、やっぱり医者は恐怖でしかない。


「私………帰ります…」
消え入るような小さい声でそう言った。


「今の結菜ちゃんの体調では家に帰らせられないよ。先生といっしょに病室戻ろう?」

優しい口調で言ってくるけど帰らせてくれそうな雰囲気ではない。


こうなったら逃げるしかない。


-ダッ……


「結菜ちゃん

待って」


そんな声が聞こえるけど、全力で走った。