「じゃあ、このまま採血と点滴もやるよ。

ごめんな 」


………再び、腕に鋭い痛みを感じる。

そして、今度はそのまま反対の腕に点滴を刺される。


熱のせいもあるけど
涙がどんどんこぼれてきて
体の水分がなくなっちゃいそう…


「結菜、痛いことは
もう終わりだよ。

怖かったし、頑張ったから『たくさん
泣いても良いよ』と言いたいところだけど

体力消耗しちゃうからもう泣き止もう」


そう言って、涙を拭ってくれて、目かくしをするように、顔に手をおいてくれた。


痛いことが全部終わって力が抜けたのと、
陽翔の優しさに安心してそのまま眠ってしまった。