「結菜ちゃん、体辛いから
泣かないよ。
陽翔先生ならただの風邪だから大丈夫だよ…」

少しだけ困った顔をする先生…


私が泣くから

みんなに迷惑かけるんだよね。

弱虫…だから陽翔もずっと休めなくて

風邪引いちゃんったんだよね。



しばらく、うつむいていると

「………結菜ちゃん、そろそろキツそうだから、診察させてくれる?」

そう言った。


陽翔…以外の先生はやっぱり怖い………
とくに体調悪いときは恐怖が増す。

だけど、これ以上、陽翔やみんなに
迷惑かけられない…

ゆっくりとうなずく


「…じゃあ、ちょっとごめんね」


服に手をかけられると、

陽翔以外に触られたくない…

そんな思いで反射的に震えてきたけど
なんとか聴診を終えた。


「…終わったよ
じゃあちょっと脈速いし
辛そうだから注射頑張ろう?」

…痛いんだよね………やりたくない
でも………頑張らないと

腕を出した。

ヒンヤリと冷たい感触がして
怖さが増してきた。

「じゃあ、チクっとするよ」

………痛っ
やっぱり痛過ぎて涙は出てしまった。


「はい、終わり
よく頑張りました。

また辛くなったら、すぐナースコール押してね。」


そう言って、先生は出ていった。