すると結菜ちゃんは
震えながら小さい声で


「………私、帰ります……」


と言った。


こんなに今にも倒れそうな状態で帰らせられる訳ない。


「今の結菜ちゃんの体調では家に帰らせられないよ。先生といっしょに病室戻ろう?」


これ以上恐怖心をあたえないように笑顔で話してみたけど、結菜ちゃんは走って逃げてった。


「結菜ちゃんっ

待って」


そう呼んで、追いかけたけど見失ってしまった。


あんな状態で走ったら倒れてしまうかもしれない。
急いで探さないと。