陽翔side


また、今日から結菜の治療が始まる。

昨日なんとか、『頑張る』 そう言って
くれて、今も無菌室の前まではすんなり
きてくれたけど………急に結菜の足が止まる


「………結菜、はいろう?」

軽くつないであった手を、痛くならない程度にギュッと握る。


結菜の手は震えていて、

泣きたいのは結菜のほうなのに

なぜか俺が泣きそうになってしまう。


「………うん」


結菜の手を引っ張って
ビニールので仕切られた
ベットに寝かせる。


「………じゃあ、点滴するよ
チクっとするけど、ちょっと頑張ろう」

結菜の手を取って、白い肌に
点滴を刺す。


「…痛いよッ 」


頑張って、泣くのを堪えている結菜を見ると

心が引き裂かれそうなほど痛い。