「結菜、ほら食べな
あーんして」

1口サイズに切った、リンゴを
フォークにさして口元にもってきてくれた。

久しぶりの固形物だから
飲み込めるか不安だったけど
口を開けた。


甘いリンゴが口に入ってくる。
……美味しい

「…どう、大丈夫?
気持ち悪いとかない?」

顔を覗きこみながらそう問いかけてくる。

「…大丈夫
美味しい、ありがとう」

飲みこんでも戻ってくる感覚はなくて
少し安心。


「良かった。
じゃあ俺も食べよう」


そう言って、そのまま同じフォークで
リンゴを食べる陽翔……

これって、間接キスだよね……

陽翔とキスしたことはあるけど、
あれが始めてで慣れているわけじゃないから
これでも、心臓がドキドキしちゃう。

「結菜っ、どうしたの?
具合悪くなっちった?」

変なこと考えて
恥ずかしくて顔を合わせられなくて
下を向いているとそう声をかけてくる。

「…元気だよ。 、大丈夫
……でもあんまりこっち見ないで」


自分でも顔が赤くなっていることがわかるから、見られたくない。