…やっぱり食べるの怖いな

気持ち悪さというものはあまり無いけど
もし、吐いちゃったら……‥

あの辛さが襲ってきたら…

せめて…治療してないときぐらい
そんな思いをしたくない。




「…ぃな…結菜、起きてる?」

ボンヤリとベッドに寝たまま
そんなことを考えていると
スーパーの袋を持った陽翔の姿が…


「…起きてるよ」

少しだけ笑顔で、陽翔の方に顔を向ける。



「果物買ってきたから、
俺といっしょに食べよう?」

ニコッ…って笑いながら
そう言ってくれた。

わざわざ私のために買ってきてくれたんだよね。

「…いろいろごめんね…陽翔」


「全然、大丈夫だよ。
俺も結菜と食べたかったし」

そう言ってスーパーの袋から、リンゴを取りだしてナイフで皮を向いていく………


器用だな……1人暮らしだから一応包丁くらいは使えるけど、あんなに上手にはできない。

キレイに皮を向いていく陽翔の手先を見てしまう。