最初に乗ろうとしたジェットコースターもかなりの人がいて、待ち時間ニ十分と入り口には表記されていた。

 待っている間は二列になって並ばなければいけなかった。


「暁斗、私と一緒に並ぼっ。それで隣同士で乗るよ!」

「いや、俺は花梨と」


 すかさず暁斗を誘って、一緒に並ぼうとする瑠璃。

 だけど暁斗は間髪を入れずに断ると、私の方へやって来ようとした。

 ――しかし。


「……バラすよ?」


 瑠璃が先ほどとは打って変わって、とても低い声でそう言うと、暁斗が固まる。

 そして深くため息をついたあと、彼女の隣に立ってジェットコースターの列に加わった。


「なんだ暁斗。今日は瑠璃ちゃんの言いなりっぽいね。もしかしてあいつ、なんか弱みでも握られてんの?」

「さ、さあ……」


 相変わらず鋭い指摘をしてくる、私の隣の瞬くん。

 私は曖昧なことを言って、誤魔化すことしかできない。