悪役令嬢満喫中につき邪魔は許しませんことよ!

その日はどうやら
視察の帰りで馬車に揺られていた彼女は
道端に倒れ込んでいた私を見つけて下さった。

「あなた大丈夫っ?!な、わけないわよね……ごめんなさい、今の言葉は軽率だったわ立てるかしら?」

本当に自分より年下の、
しかも女の子なのかと疑う程に
凛としたただずまいに思わず見惚れてしまった。

そして彼女は
私の汚れてしまった服など気にもとめず
肩を貸してくださり馬車に乗せてくださった。

「あなたの事は私が護るわ。
もう安心していいのよ、よく頑張ったわね」

そう言って抱きしめられた時
不甲斐ないが声を上げて泣いたのを覚えている。

死を感じながらも
死が来ることを心の奥では
とても恐れていたのだ。

人の温もりを感じることなど
無かった私にとって初めて触れた
温もりはあたたかすぎて、
一生忘れられないものになった。

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