もうライバルなんか怖くない!




「わたしも、それ取って、ひぃちゃん」


「はいはい」


「……ふふ。カイウンさんのときみたいに悩まないんだね」




魁運とはそれほどの関係じゃないって暗に言うな!


つぅちゃんとは双子なんだし、そりゃわかる。

このおひたしがほしかったんでしょ?




「ほんと、よく似ているね、ふたりとも」


「色もそろえたら、きっとどっちがどっちか、判断つかなくなると思いますよ」




おじ様にほんのりと含んでいる困惑を、つぅちゃんはあたしにべったりくっつき、故意的に膨らませる。


色をそろえられたら、ね。

無理な話だ。


あたしたちがいくら似ていても。

眼球をカラコンで隠し、髪を統一し、双子コーデを組んだとして。


まったく同じにはなれない。




「くだらねぇ。色が何だろうと、ひとみはひとりしかいねぇだろ」




え、泣いちゃう。


魁運こそ故意じゃないの? ノット計算?

白米をもぐもぐ食べながら、なにげない温度感で言うことじゃないよ!


シラフでそのセリフが出てくるって、どんなイケメンだ!

国宝として崇めたてまつろうぞ!




「ウチの息子、口がわるくてごめんね」


「いえ。すごくかっこいいこと言うんだなあって、惚れ惚れしちゃったくらいです」


「ならよかった」


「おふたり親子も、似ていますよね。その、かっこいいところとか特に」