さあて。
魁運には離れとけって言われたし、オトメモードはひとまず置いておいて。
本来の役目を果たしましょうかね。
「い、急ごう!」
「今しかねぇ!」
「あいつだけ捕まえてずらかるぞ!」
「あいつって?」
「そんなん巫女にきまって……」
カチャリ。
物騒な金属音で、敵は停止した。
「ぶち抜かれたいの?」
最後尾の男の後頭部に、銃口。
突きつけたのは、もちろん、あたし。
「撃ってもいい?」
「っ! っっ!?」
男は汗まみれの首を左右に振り続ける。
ぶるぶる、ぶるぶる。
震えてんのか、もげそうなのか、わかんないくらい。
「1回振ればわかるから」
「ギャッ!」
銃口で軽く押せば、男の上半身も前に倒れる。
戦意喪失したヤツにかまけてらんないんだよね。
前を行くヤツらをどうにかしないとなの。
だからさ、踏み台になってよ。
男の丸まった背中を、軸足で勢いよく踏んづけた。
跳べ、あたし!
「巫女いたぞ!!」
「捕まえろ!!」
「連れ去れ!!」
「させるわけねぇだろどけよぼんくら」
スーパージャンプキーーーーック!!
「ガッ!?」
「ギィ!?」
「グォ!?」
前にいた敵1人の背中に、ばっちり命中。
その前にいた2人の男も道連れに。
あたしは華麗に着地。……ふっ、きまった。
「……ひぃちゃん!」
そのさらに前でおびえていたつぅちゃんが、すばやくあたしに抱き着いてきた。



