「――ぼくがここまでお連れしたんですよ」




え?

なんで、ここに……。



おかゆを持って入室してきたのは、




「おひさしぶりですね。この家で顔を合わせるのは初めてでしょうか」


「え……な……は!?」




赤羽くん!?



つぅちゃんのボディーガード役で。

白園学園の生徒で。


白雪組とは縁もゆかりもないであろう彼が、さも当然のごとく、あたしの目の前に立っている。



あの毒々しいスーツを身にまとって。




「けっこう大変だったんですよ? 途中で位置がわからなくなったり、見つかったら見つかったで気を失っていたり」


「ち……ちょっ、」


「高熱を出していたので、急いで車を呼んで」


「ちょっと待」


「貧血と呼吸困難にも陥り、なかなか体調が回復せず、1週間ほど寝こまれていたんですよ」


「ええっ、1週間!? ……って、そうじゃなくて! ちょっとタンマ!」




あたしがここにいるワケは、よくわかった。


布団の多さも、おおげさなくらいの兵吾郎の心配も。



ただ、それじゃあ……そっちのワケは何なの。




「赤羽くんは、つぅちゃんの護衛をしていたんじゃ……?」


「はい、していますよ?」


「だったらなんでウチにいるの!? それに、その服は、」




まるで……。