「え、ええと……あ、あの、さ、最初はリレーの選手を……」
――ブオオオオン!!!
――ブオオオオン!!!
影野さんの進行、またさえぎられた。
いつになったらスムーズに種目決めできるの……。
半ば呆れながら、エンジン音のほうへ目を向ける。
なにやら正門からバイク軍団が乱入してきた。
「……何あの、だっさい改造バイク」
バイクを運転してるヤカラも、総じてダサい。
髪ボサボサ、ヒゲボーボー、靴下の長さびみょー。
校舎前をぐるぐるして、とりあえずエンジン鳴らしてる感。
くっそだせぇわ、うるせぇわ。
何しに来たんだ、あのヤカラは。
ここ、学校だよ? アンダースタン?
道まちがえた? 迷子のアナウンスしてあげよか?
「な、何だね、きみたちは!!」
おっ。
教頭先生のお出ましだ。
「あ? センコーは黙ってろ」
「俺らはここにいるアイツに用があんだ!」
「きょ、教師になんという口の利き方だ! ぶ、部外者は立ち入り禁止だぞ!」
「あちらさんが先に土足で入ってきたんだ」
「俺らはそれにならっただけだぜ。ハハハッ!」
教頭先生、へっぴり腰になってる。
がんばれ! あんなダサい連中、怖がることないよ!



