あとはあたしが、つぅちゃんの動きに合わせられたら……いける! 乗り切れる!
双子の妹の考えは、手に取るようにわかるよ!
次は回って、下がって、また回るんでしょ? 任せろ!
ヴェールを駆使してサポートし、銃を撃つ隙をなくして。
つぅちゃんが言霊を活用することなく、客に悟られることもなく、あたしがふたり分の護身を果たす。
それが目標!
大丈夫。今のところ順調、順調!
舞台の後方に寄りながら、つぅちゃんの頭上から背面にかけてヴェールをたらし流していく。
「……ひぃちゃん」
「つ、」
つぅちゃん……?
背を過ぎたとき、ふと、名を呼ばれた。
ぱちん、と扇が閉ざされる。
空を裂くようにつぅちゃんが円を描いた。
一瞬、きらり、光る。
「……!」
真白に化粧された、その顔。
ひどくやつれているのは、どうして。
ヘーゼルのきらめきが際だつほどに。
……もう、すでに、言霊を使っていた?
『――気ヅカナイデ』
敵の存在を秘めたから。
魁運も、お客さんも、銃や光線に気づかなかった。
狙撃がバレて、危険が広がらないために。
ここにいる全員に対して、力を発動させたの……?
つぅちゃん。
ねぇ、つむぎ。
どうしてよ。
どうして、涙をあふれさせながら、ほほえんでおどり続けるの。



