【拓海side】



「なぁ、あれって片桐凛じゃないか?可愛くねぇ?」



そのクラスメイトの声に、ふっと顔を上げた。


いつもなら興味無いはずの、その話題にどうして顔をあげようと思ったのか分からない。


だけど、これは必然だったのじゃないかと思う。

クラスメイトの視線を辿ると、そこには天使の様な女の子がいたーー。


隣にいる子は友達だろうか?


背は小さいのに、その可愛さから周りの目を引いていた。



「でも、あの子変なことにこだわってるらしいぞ?なんでも、“恋が叶う飴”?を探してるとかで......」



その飴なら、知っている。

なんなら、俺が持っている。

少し前、話題になった時にたまたま譲ってもらったものだ。


その飴を持っていた人は、色んな人に配っていたらしいから、俺も友達が貰った時に、流れで一緒に貰った。