白球と最後の夏~クローバーの約束~

 
ちっちゃいからって子ども扱いしちゃって、もーっ!とか。

岡田君だって十分子どもじゃん!からかったり茶化したり、小学生じゃないんだから!とか。

とか、とか、とか・・・・。


「コホッ・・・・コホッ・・・・」


すると、だんだんヒートアップしてきて、わたしはとたんに咳き込んでしまった。

ジャージの手首のあたりを口元に当てて、何回か咳をした。


「大丈夫かよ?」


咳き込むわたしを心配そうに見る岡田君。・・・・こういうときだけ真面目になるんだから。


「大丈夫だって。軽い風邪だし。ほら、わたしにもボール貸して? 磨くから」

「おぅ」


“ほんとに大丈夫かよ?”って顔をしながらボールと布巾を手渡す岡田君。

このときなぜか、ほんの少し・・・・ほんの少しだけだけど、稜ちゃんの優しいところとかぶって見えた気がした。










───そして・・・・。

稜ちゃん一色のわたしには、このときの岡田君の優しさの意味がまだ分かっていなかった。

本当に、稜ちゃんしか見ていなかったんだ。