白球と最後の夏~クローバーの約束~

 
その直後・・・・。


「カゴが歩いてるんだけど!」


1人になったわたしを目ざとく見つけて、おまけに失礼なことを言ってくる人が現れた。

岡田大樹(オカダ タイキ)君。
同じく3年生。

ニヤッと笑って、勝ち誇るようにわたしのカゴを奪い取る。

・・・・頼んでもないのに。


岡田君は、去年の夏、試合中にした肘のケガが原因で選手からマネージャーに転向した。

それでもって、マネージャーになったとたんに皮肉っぽい性格が開花しちゃって。

今ではこの通り、立派な皮肉王子に成長してしまった・・・・。


昨日の部活は、王子お得意のおサボリタイムだったらしい。

気まぐれで顔を出す、真面目なんだか不真面目なんだか、いまだによく分からない性格の持ち主。

だからわたしは、岡田君に微妙に警戒心を抱いている。

昨日、稜ちゃんが少し言っていた“誰かさん”とは、まさにこの人のこと・・・・。


これでもケガをするまでは稜ちゃんとバッテリーを組んでいたんだから、人って変わるものなんだなってつくづく思う。

すごく一生懸命だったのにな。