「しょうがない子ね、まったく。ほら、ご飯食べながら熱計りなさい。37℃越えてたら学校休んでいいから。自分でちゃんと連絡すんのよ〜」
朝の食卓はまるで戦争。
お母さんは、朝ご飯とお父さんとわたしのお弁当を同時に作らなくちゃいけない。
ドタドタ、バタバタの朝。
ちょっとでも朝のペース配分が狂うと、お母さんは“もーっ!”と少しだけ鬼になる。
そんなお母さんを尻目に、お父さんは新聞に隠れるように朝ご飯。
「ん〜・・・・」
よく開かない目をパチパチさせながら、わたしは手渡された体温計をワキに挟む。
それから朝ご飯のメニューを一通り眺めて、風邪の体と相談する。
納豆とワカメのお味噌汁、それと卵焼きかぁ・・・・。
目の前に並べられた食事は、今のわたしのお腹にはどれも重そう。
とりあえず何か食べなきゃと箸を持つけど、ちょこちょこと卵焼きをつまむだけの元気のない食べ方になってしまった。
ピピッ!
そうこうしている間に、体温計が仕事を終えてくれた。
鼻をすすりながら熱を確かめる。
【36.8℃】
微熱かぁ・・・・。