白球と最後の夏~クローバーの約束~

 
「もぉ〜、やだぁ・・・・」


ポフッとベッドに倒れこむと、わたしは情けない声で泣きだした。

夕ご飯を食べて、言われた通りに薬も飲んで、早めのお風呂に入ったあとだった。

それまで我慢してきたけど、自分の部屋に戻った瞬間、悔しいやら恥ずかしいやらで泣きだしてしまったんだ。


頭を冷静に働かせて状況を整理していくと、なんて被害妄想だったんだろうって思う。

稜ちゃんが寝ちゃったわたしをわざわざ起こしてくれて、自転車にも乗っけてくれて。

すごく近くに稜ちゃんを感じることができたのに。


それなのに・・・・。

それだけでいいじゃない。

十分すぎるほど甘い夢が見られたじゃない。


現金なやつで被害妄想の自分にすごく腹が立つ。

わたしのことを心配してかけてくれた言葉だったのに。

小さい頃からずっと一緒だったんだもん、今なら“別に”の意味だって分かるのに。

いつもは遠くからしか見られなかった稜ちゃんが、今日だけは目の前にあったのに。

こんな奇跡、四つ葉のクローバーにお願いしたって今まで叶わなかったよ・・・・。