「なぁ、百合・・・・」

「ん?」

「もっと四つ葉のクローバーちょうだい?」


稜ちゃんが、真っ白な歯とかわいい八重歯をキラリとのぞかせておねだりをする。


「もちろんっ!いくつだってあげるよ、稜ちゃん!」


わたしも、その笑顔に負けないように、とっておきの笑顔で大きく頷いた。



これからのわたしたちの未来は、きっとキラキラ輝く宝石だよね。

手を取り合って進む2人の未来はまだ始まったばかり。

この夏を忘れず、真っ黒に日焼けした稜ちゃんの笑顔を忘れずに。

青雲高校の白いユニホームを忘れずに、稜ちゃんの背番号【2】を忘れずに。

一緒に戦う仲間たちの笑顔、笹本先生の笑顔、岡田君の笑顔、支えてくれた親友の笑顔・・・・。

たくさんの人の笑顔を忘れずに、わたしは青春の中を稜ちゃんと一緒に駆け抜けていく。

この澄み渡った空のように、どこまでも真っすぐに稜ちゃんを想って駆け抜けていく。








高校3年生、18歳。

この年の夏は、一生大切なわたしの宝物になりました───・・。