“こんなわたしでいいのかな?”

ずっとそう思って過ごしてきた、今までの17年間・・・・。

そんなわたしに、稜ちゃんは温かくて、大きくて、力強い手を差し伸べてくれた。


“百合がいいんだ”

真っすぐな瞳でわたしを導いてくれた。手を引いてくれた。

キラキラ輝く青春の真ん中にわたしを連れてきてくれた。


これはきっと、あのおかげ・・・・。

自分自身を好きになれたのは、稜ちゃんがくれた、あの“四つ葉のクローバー”のおかげ。

何度“ありがとう”って言っても言い足りないよ。


だからわたしは、今日も想うの。


ずっとずっとずーっと大好きよ、稜ちゃん・・・・。

ずっとずっとずーっと信じるよ、稜ちゃん・・・・。


そう、強く強く想うの。










「プレーボール!」


試合が始まった。


先攻は青雲。

1番バッターは稜ちゃん。

バッターボックスの、向かって左側で構える稜ちゃん。

この場所でも変わらない、小さな頃からのいつもの定位置・・・・。