白球と最後の夏~クローバーの約束~

 
わたしは一人、甲子園球場の上を流れる柔らかい色の青空と、ふわふわしている白い雲を見上げた。

稜ちゃん、今日の空は最高だね。

絶好の甲子園日和だね・・・・。

それから大きく深呼吸をして、すっと前を見据えた。


わたしの視線の先には、今か今かと出番を待っているみんなの姿。

一番輝いて見える、背番号【2】をつけたわたしが愛してやまない人の姿。

・・・・稜ちゃん。



ココちゃんとわたしで作った千羽鶴、西ノ宮のマネージャー・葵ちゃんから託された千羽鶴・・・・。

2つともベンチに飾ってある。

野球部全員・53人で持っているお守りは、幸運を呼ぶ四つ葉のクローバー。


大丈夫。

大丈夫。

大丈夫。



「・・・・百合。俺のホームラン、ちゃんと見てろよ?」


試合前の興奮の中、わたしをたまらなくゾクゾクさせる、そんな顔で稜ちゃんが言った。


「うん。当たり前じゃん。信じてるよ、稜ちゃん」


わたしを見つめる稜ちゃんの真っすぐな瞳・・・・その瞳をしっかり見つめて、力強く答えた。