白球と最後の夏~クローバーの約束~

 
だからここは、あえての皮肉。


「ありがとう、岡田君!岡田君のおかげで毎日がバラ色の日々ですよっ!」


そう、ちょっとだけ入れてみた。

本当はね、岡田君と話すのは胸がチクチク痛むんだ。

わたしの“好き”を知っていて、稜ちゃんの“好き”も知っていた岡田君。

わたしたちがお互いに“好き”と言えるように、自分の“好き”を犠牲にしてくれたんだよね・・・・。

それを考えると胸が痛むんだ。


だけど岡田君は、わたしの胸の痛みなんて屁でもないっていうくらいの笑顔で言ってくれたんだ。


「初恋と片想いの両方、やっと実ってよかったな、花森。稜をよろしく頼むな!」


って・・・・。


岡田君は、少しひねくれたところがある人・・・・だけど、本当の岡田君は、きっと純粋で優しい人なんだって、そう思うよ、わたし。

ココちゃんが岡田君に恋をした気持ち・・・・こうしていろいろと話すようになってからはよく分かる。

性格だって、だいたい似たような感じだしね。


ごめんね、岡田君。

そして、ありがとう・・・・。