お母さんとわたしは、そんな4人の様子を見て、ただただ飲み物を吹き出さないように必死で口の筋肉を使っていた。


「お父さん!稜君が嫌がってるでしょ!?」


お母さん、何度お父さんを引き剥がそうと試みたことか・・・・。


「いいじゃないか〜、減るもんじゃないんだし〜、なぁ、稜君?」

「は、はぁ。まぁ・・・・」


べろんべろんのお父さんは、素で言ったら連行されちゃうくらいきわどい“オヤジ発言”でお母さんをかわす。

稜ちゃんは、酔って充血した真っ赤な目で、しかもズイッと近寄られてタジタジ。


「いいのよ〜!稜はみんなの稜なんだから!」

「そうだ、そうだ!俺の息子はみんなの息子だ!」


しまいには稜ちゃんの両親もこんな調子でお父さんを盛り上げて。

まさに“無法地帯”になった。


「ぐ・・・・ぐるじぃ〜」


大人3人に同時に首に手を回された稜ちゃんは、声にならない声で虚しく抵抗していた。

でも、最後にはやっぱり・・・・。


「かんぱーい!!」


6人で夜遅くまで騒いだんだ。