それからの甲子園までの日々は、ビデオを早送りしているみたいに早く早く過ぎていった。


稜ちゃんと手をつないで帰った日は、わたしの家族も稜ちゃんの家族もどんちゃん騒ぎ。

どっちか1つの家で騒げばいいのに、稜ちゃんの家に行って騒ぎ、わたしの家に来ては騒ぎ・・・・。

その繰り返し。

甲子園を決めたこと、わたしの誕生日のお祝い、その2つを一気にお祝いしたんだ。


特上のお寿司はお父さんが出前を取って、大きなケーキはお母さんの手作りで。

何年ぶりかに、稜ちゃんの家族と一緒にご飯を食べた。


これでもかってくらいにお酒を飲んだ、わたしのお父さん。


「我が息子よぉ〜!」


そう言って、稜ちゃんに抱きついて頬ずりまでしていた。

そんなことをされる稜ちゃんは、わたしを見て何とも言えない微妙な笑顔。

でも、それが逆に面白くて、わたしはお腹を抱えて笑いっぱなし。


そのうち、稜ちゃんのお父さんとお母さんも抱きついて頬ずりをする始末・・・・。

ぷぷっ。

似た者夫婦。

プラス、隣のおじさん。