白球と最後の夏~クローバーの約束~

 
わたしはそう、もっと突っ込んで聞いた。・・・・だって、かわいいんだもん。

かわいすぎるよ、稜ちゃん。

もっと意地悪したくなっちゃう。


「照れてないってば!」

「ふ〜ん」

「なんだよ」

「なんでも? ・・・・ふふっ」


口では否定していても、稜ちゃんの目はキョロキョロ泳いでいる。

・・・・やっぱりかわいいなぁ。


こんなふうに照れながら怒る稜ちゃん・・・・きっとそれは、わたしにだけ向けられるものだよね。

これからは、わたしにしか向けられないものだよね。

それがすごく嬉しくて、わたしは稜ちゃんの顔を見上げてずっと笑っていた。


このオレンジ色の光の中にいるのは、稜ちゃんとわたしだけ。

この甘い時間を共有するのは、稜ちゃんとわたしだけ。


「あんまり調子に乗るなよな?」


コツン・・・・!


「いたっ」

「あ、ごめん!」

「嘘〜!」

「・・・・ったく」


コツンと優しくげんこつを食らわす稜ちゃんは、なんだかんだでわたしと同じように笑顔だった。