白球と最後の夏~クローバーの約束~

 
どんな稜ちゃんの表情にも見とれるわたしは、夕日じゃなくて、その横顔をじっと見つめていた。


「夕日、見ねぇの?」


そんなわたしの視線に気づいた稜ちゃんは、これまた照れくさそうに聞く。


「・・・・稜ちゃんを見てるほうがいいもん」

「あ・・・・今“キュン”ってきた」


プクッと膨れてわたしが言うと、稜ちゃんはつないでいないほうの手を胸に当てた。

そして、心臓を掴むようにキュッっとシャツを握った。


「えっ? 本当?」


やった!

稜ちゃんをキュンとさせられた!

嬉しくなって、わたしは稜ちゃんの正面に回り込むようにして、さらにじーっと見つめ続けた。


「その上目遣い、反則デス・・・・」


あれ? あれれっ?

稜ちゃん今、片言の日本語ぽかったよね・・・・?


「稜ちゃん、照れてるの?」


顔を真っ赤にする稜ちゃんがたまらなくかわいくて、また意地悪な心が顔をのぞかせた。


「ちがっ・・・・」


稜ちゃんは真っ先に否定する。


「ほんとかなぁ?」