白球と最後の夏~クローバーの約束~

 
わたしの顔をひょいとのぞき込んで、稜ちゃんが“どうかな?”と試すような言い方をする。

・・・・すっかりいたずらっ子の顔になってるし。

だからわたしは、もっと悔しくなって、嘘をついて平気なふりを続けた。


わたしが無理に息を整えようとするのを見て、稜ちゃんはふっと優しい笑顔になる。

そして、目を細めてこう言う。


「かわいい。そういうところも好きだよ、百合らしくて」


わたしの頭を撫でながら、かわいい八重歯をキラリとのぞかせて。


「・・・・稜ちゃん」


どんどん鼓動が早くなっていく。

この早さは走ったからじゃない、稜ちゃんにドキドキしているの。

だって、夕日を横顔に浴びた稜ちゃんの表情がすごくかっこいいから。


何が悔しいって、稜ちゃんがわたしをキュンキュンさせることが悔しい。

わたしだって稜ちゃんをキュンキュンさせたいのに・・・・。


「お、そろそろ時間かな。ちょっと向こうまで行ってみようぜ?」


すると、夕日の眩しさに目をそらした稜ちゃんが、急にそんなことを言いだした。