白球と最後の夏~クローバーの約束~

 
「ふふっ。かわいい。稜ちゃん」

「かわいくねーよ。・・・・恥ずかして死にそう」


あまりにもかわいくて、思わず口にしちゃった“かわいい”発言。

稜ちゃんは首までひねってプイッとそっぽを向いた。


「死んだら困る〜!絶対やだ!」


そう言うと、わたしは稜ちゃんの背中に腕を回した。

冗談だって分かっていても、からかいたくなるんだもん。

困らせたくなっちゃうんだもん。

稜ちゃんをぎゅぅーっと抱きしめて、思いっきり甘えた。


「はいはい。甲子園までは頑張って生きるよ」


稜ちゃんはわたしの頭に顎を乗っけて、子どもをあやすように背中をポンポンと叩いた。


「ぷっ・・・・短すぎない?」

「来年までな」


わたしがちょっと吹き出しながら聞くと、すぐに稜ちゃんがそう返してきた。

顔は見えないけど、稜ちゃんも声の感じで笑っているのが分かる。

楽しい。


「もっと!」

「じゃあ、あと5年!」

「もっともっと!」

「あと30年!」

「もっともっと、もーっと!」