白球と最後の夏~クローバーの約束~

 
「抱きしめててなんだけどさ、返事はすぐにじゃなくていいから」

「・・・・」

「百合の誕生日に告白したかっただけだから・・・・」


はぁぁ・・・・とため息をつくと、稜ちゃんは小さな声で照れくさそうに言う。

でも、わたしを抱きしめる腕の力はちっとも弱くならない。


なによそれ。

反則じゃん・・・・。

わたしが断るわけないじゃん。

胸がキュンキュン鳴って、もう死んじゃいそうだよ、わたし・・・・。


「わたしも・・・・稜ちゃんが好き。大好き・・・・」

「・・・・」

「ずっと稜ちゃんしか好きじゃなかった・・・・」


泣きながらやっと絞り出せた、7年間の“好き”の気持ち・・・・。

稜ちゃんの胸に顔を埋めながら、大好きなコロンの匂いを鼻に感じながら、わたしは心から精一杯の“好き”を伝えた。


「よかった・・・・本当によかった。はぁぁー・・・・」


稜ちゃんは、今度は緊張から解放された安堵のため息をもらした。

その甘い息が耳にふわっとかかって、心臓がまたトクンッ・・・・と跳ねた。