白球と最後の夏~クローバーの約束~

 
1回瞬きをすると稜ちゃんの制服の白いシャツが目の前に見えた。

それがわたしを甘い甘い夢の世界へ連れていく。

稜ちゃんの心臓の音・・・・バクバクって言っているのが聞こえる。

その音でわたしの心臓も負けないくらいバクバクと言いはじめた。


そんな中、稜ちゃんは大きく一つ息を吐き、そっと口を開いた。

そして、わたしの頭の上から信じられない言葉を降らすんだ。


「今まで俺、自分に自信がなかったんだ。だから甲子園に行けたら自信がつくような気がして・・・・」


稜ちゃんの熱いくらいの体温が、わたしの体に移ってくる。

わたし、稜ちゃんの体をこんなに近くで感じたのは初めて・・・・。


「それに、百合はどんどんかわいくなっていくし。俺、恥ずかしくて目も合わせられなくて・・・・」


何も言葉にならなくて、わたしはじっと腕の中で稜ちゃんの声を聞いていた。


「でも、百合はそんな俺をずっと見ていてくれて。それには気づいてんだ。ただ・・・・」

「・・・・」

「ただ、百合には釣り合わないんじゃないかと思ってた」