白球と最後の夏~クローバーの約束~

 
閉会式を終えてからは、学校に戻って部室に集まって、またみんなで号泣して・・・・。


「ありがとう・・・・ありがとう」


笹本先生は顔をくしゃくしゃにして泣きながら、何度もそう言って全員と握手していた。


岡田君は、稜ちゃんに抱きついたまま、なかなか離れなかった。

“稜の前ではピッチャーの俺でいたいから”

それで野球をやめた岡田君。

稜ちゃんが甲子園の土を踏めることが自分のことのように嬉しいんだよね。

稜ちゃんの目にも、岡田君と同じくらい大粒の涙が光っていた。


わたしの携帯には、お父さんやお母さん、ココちゃんやクラスの友だち・・・・いろんな人からの電話やメールが届いた。


「百合子!父さんだ!稜君たち、やったな!! 今日は宴会だ!」


仕事中だったのにわざわざ電話をくれて、勝手に宴会の予定まで立てちゃったりして。


「うん、うん。あんまり飲みすぎないでよ? みっともないから」


なんて言ったんだけど、電波を通してでもお父さんがとびっきりの笑顔なのが伝わってきて、わたしもつられて笑った。